NTTテクノクロスNTTグループのリモートアクセスサービス

USE CASE導入事例

株式会社トヨタシステムズ

INTERVIEW

リモートデスクトップ方式による
高セキュリティテレワークを導入した
メリット

株式会社トヨタシステムズはトヨタグループ各社のグローバルなIT戦略をサポートする会社。2019年にトヨタ自動車株式会社の100%出資会社として設立された。先端技術開発本部、エンジニアリング分野、コーポレート・ファイナンス分野、インフラ分野といった事業を柱とし、モビリティITのテクノロジー企業として、トヨタグループの世界戦略を支える一翼を担っている。
同社の中にあって、IT技術の活用によって社内外の課題解決に取り組むオフィスアプリケーションサービス部の皆川氏と高木氏にお話を伺った。

目次

  1. 1.導入のきっかけはリモートメンテナンス
  2. 2.テレワークにより利用が拡大
  3. 3.競合サービスとの比較
  4. 4.マジックコネクト利用拡大に伴う措置
  5. 5.今後の展望
  6. 6.まとめ

導入のきっかけはリモートメンテナンス

全国に展開されるトヨタグループの受発注端末。これらをリモートでメンテナンスしたいという要望に、いかに応えるか

トヨタグループ内に展開される1,000台を超す自動車部品の受発注端末。これは自動車生産の意思伝達のため、欠くことのできない重要な端末だという。当然、その端末の保守も極めて重要な業務であり、何かあれば担当者が現場に駆けつけてメンテナンスしていたのだが、これらを迅速に実施したいという要望があったのがマジックコネクト導入のきっかけという。とはいえ、生産にかかわる重要な端末であるだけに、情報漏えいは絶対にあってはならない。また接続しづらいとか、遠隔での操作に時間がかかるなどの問題があっては意味がない。

「そうした観点から、さまざまなリモートアクセスサービスを比較・検討してマジックコネクトの採用を2007年に決定したのです。これによって、保守対象の端末がある現地に行かなくとも手元パソコンからリモートで保守・点検ができるということになり、日常的な保守・点検において、全国の移動に費やしていた相当なコストや労力を大幅に削減することにつながりました。現地駆けつけが一般的だった端末メンテナンスを、担当者が遠隔地から実施できるよう体制を一新することができたのです。またこれをきっかけとしてトヨタシステムズは、マジックコネクトの代理店としての販売業務にも乗り出すことになりました。」(高木氏)

その後、端末のリモートメンテナンスの他に、出張先から自社パソコンへのリモートアクセスなどで活用される場面が増えたという。

「データ持ち出し不要の手軽さに加え、セキュリティを確保した上でリモートアクセスできる点がトヨタグループで評価され、出張先や自宅であっても、いつでも会社と同じパソコン環境で業務を行うことができるということが広く周知されるようになりました。こうした評価があったからこそ、トヨタシステムズとしても、マジックコネクトの展開によるリモートワークに取り組むことができました。」(高木氏)

テレワークにより利用が拡大

新型コロナウイルス流行の火急事態も、マジックコネクトで迅速にトヨタグループ各社の在宅勤務環境を整備

マジックコネクトの導入については、トヨタシステムズが供給元となってトヨタグループ各社に供給する側面と、トヨタシステムズが自社内で利用するというふたつの側面があるが、新型コロナウイルス流行により、テレワーク(=リモートワーク)の利用要望が急増。これによってトヨタグループ内で万単位でのユーザーに供給することになったという。これは、マジックコネクトがあれば簡単かつ安全にリモートアクセスができるとわかり、マジックコネクトの利便性や導入後のメリットへの認知が高まったことが背景にあると言えるだろう。

「任意のパソコンにUSBキーを挿してリモートアクセスするUSB型のマジックコネクトの導入に加え、2018年からトヨタシステムズがトヨタグループ内に供給を開始した端末認証型のマジックコネクトは、アプリケーションをパソコンにインストールしてマジックコネクトのサービスを使うタイプですので、トヨタグループの社員はすぐにテレワークを開始することができました。火急の事態が生じてもただちにトヨタグループ各社の在宅勤務環境を迅速に整備することができたのです。」(高木氏)

「簡単かつ安全にリモートアクセスできるということがわかり、テレワークの拡大につながったわけですが、現在、トヨタシステムズとしても正社員・派遣社員を含む4,000名超の従業員にマジックコネクトを配布し、テレワークの全社展開を実現しています。
管理者は利用者に端末認証型のマジックコネクトを利用するために必要な情報(IDなど)を案内し、利用者はその情報と自宅のパソコンを用いてテレワークを実現できる。その手軽さに魅力を感じています。さらにマジックコネクトの設定や利用者が使用した際もトラブルが少ないため、手離れがよいというメリットがあります。」(皆川氏)

競合サービスとの比較

VDIや他のリモートアクセスサービスがある中で、なぜマジックコネクトが選ばれたのか。

新型コロナウイルス感染拡大防止に伴い、自宅で仕事をするというテレワークによる働き方が一般化してきた。こうしたリモートワークを支えるサービスはVDI(Virtual Desktop Infrastructure:デスクトップ仮想化)と呼ばれるものと、マジックコネクトに代表されるリモートアクセスサービスなどに大別される。いずれもセキュリティ対策が万全でリモートワークを可能にするものだが、トヨタシステムズではこれらのサービスをどのようにとらえ、利用しているのだろうか。

「ここ3年ほどVDIも利用するようになりました。これは従業員分のパソコンがバーチャルマシンで動いていて、それを外部からオペレーションするという仕組みです。便利な反面、トラブルが起きた際に仮想環境に起因したものである場合、原因の切り分けが難しく、特定に時間がかかるという問題がありますが、マジックコネクトの場合は原因の特定が容易です。ITを管理する立場として、サポートの負荷が少ないというメリットがあります。」(皆川氏)

では直接の競合となるリモートアクセスサービスの中で、なぜマジックコネクトが選ばれたのだろうか。

「まず操作のしやすさでしょうか。マジックコネクトの操作性は、Windows OSを搭載した端末に備わっているリモートデスクトップ接続の機能を使用したときの操作に非常に近いので、Windows OS端末の操作に慣れた社員が多いトヨタグループ内との親和性が高く、簡単にマジックコネクトを使い始めることができた点があげられます。また、マジックコネクトと同じリモートデスクトップ方式を採用した複数の競合製品の試行・評価を行いましたが、会社パソコンの画面を手元端末に転送するテストを行った際に、画面に映るはずの内容が一部映らないなど、いろいろな問題がありました。これに対してマジックコネクトは、そうした問題がないことに加え、海外でマジックコネクトを使ったときでも、国内で使用するのと同じように画面転送ができること、リモート会議時も音声の送受信ができることなど、リモートデスクトップ機能の信頼性が高く、通常業務をリモートで行う上では最適なツールだと考えています。また、多要素認証によって利用端末を限定することで、なりすましを強固に防止しており、悪用の可能性はほぼ皆無。セキュリティ面もしっかり考慮した仕様となっているため、機密情報の扱いが多い中、厳しい基準を設けて情報漏えいを防止しているトヨタグループ各社の要件に合致する製品と言えます。」(高木氏)

マジックコネクト利用拡大に伴う措置

利用拡大に伴い独自のポータルサイトを構築。マジックコネクトの安定的な運用をはかる。

競合製品に対してリモートデスクトップ性能の高さで優位性を持つと評価されたマジックコネクト。その基本性能をフルに引き出し、導入メリットをさらに高めるための措置として、独自のポータルサイトを構築しているという。

「さすがに大量のマジックコネクトを相当な規模で展開していると、パフォーマンスが落ちてくるといった心配がありましたが、インフラ面ではNTTテクノクロスから提供されるサーバ環境の増強によりアクセス負荷の分散が実行され、新型コロナウイルス流行によって利用が集中しても、トヨタグループ内の利用者に快適な環境を提供できました。また利用者に現在の利用状況などを知らせるため独自のポータルサイトを設定し周知をはかっています。マジックコネクトに限らず、いろいろなリモートワークの仕組みに対してアクセス集中ということは起こりうるものですから、常に状態を監視し直近のコンディションを公開して、利用者に安心して使っていただくようにしています。」(高木氏)

今後の展望

IT部門による主導だけでなく、人事部門ともタッグを組んで多様な働き方を整備していきたい。

テレワークだけでなく、多様なワークスタイルへの移行が趨勢となる中、トヨタシステムズはマジックコネクトを利用した働き方をどのようにとらえ、将来を展望しているのだろうか。

「この1年間はコロナの環境下で、密になる状況を避けたい、出勤させたくないということでマジックコネクトを積極的に使っていましたが、アフターコロナを見すえると、出社かテレワークかというのはある程度ハイブリッドな形が求められてくると思います。そうした働き方のすみ分けを想定して、しっかりサポートしていきたいと考えています。この人は100%出社で、別の人は100%テレワークということはないはずで、必ずどちらかの働き方を選べる時代になると思います。そうすると、必然的にマジックコネクトを持っていた方が、対応できる仕事やロケーションの幅を広げておけますし、アフターコロナの働き方につなげていくことができるでしょう。マジックコネクトがあればどのような働き方にも対応できるというメリットをこれからの利用者にしっかり説明して、さらに展開をはかりたいと考えています。まだまだワーケーションという段階までいっていないにせよ、トヨタシステムズとしてはオフィスから遠く離れた場所でも仕事をすることも可能ですし、働くロケーションの範囲がこれまでより格段に広がっています。そうした意味でもこうしたツールというのが今後ますます必要とされていくのではないかと期待しています。また、これまではIT部門が主導でやってきましたが、今後は人事部門とも協力し多様な働き方というものを整備していくのもミッションのひとつと考えています。」(皆川氏)

まとめ

トヨタグループ各社のグローバルなIT戦略をサポートする会社として設立されたトヨタシステムズは、国内外での多様な働き方をみすえて安定的にテレワークを可能とする仕組みとしてマジックコネクトを導入。機密情報の持ち出しの心配が無い高セキュリティと操作性を確保し、業務の効率化とコスト削減を実現している。

※写真撮影時のみマスクを外していただきました。

取材日:2022.02.25
企業データ

株式会社トヨタシステムズ

利用製品
USB型