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COLUMNコラム

リモートデスクトップとVPNの併用で情報漏えいは防げる?メリット・デメリットを解説【2026年10月更新】

リモートデスクトップは、VPNを併用すれば通信経路のリスクは抑えられますが、脆弱性をついた不正アクセスや端末の紛失、データ持ち出しといったリスクは別の対策が必要です。そのため、VPN機器を用意せずに使える「VPN不要のリモートアクセスサービス」も選択肢のひとつです。自社の利用人数・既存環境・セキュリティ要件に応じて、どちらが適しているかを判断しましょう。

本記事では、リモートデスクトップとVPNの併用方法やメリット・デメリット、VPN不要の接続方法をわかりやすく解説します。
VPNの導入を検討している方や、より運用しやすいリモート接続方法を探している方は、ぜひ参考にしてください。



リモートデスクトップとは

「リモートデスクトップ」という言葉は、広い意味では、社内PCの画面を手元の端末に転送して遠隔操作する仕組み全般を指します。自宅や外出先から社内PCをリモートで操作し、普段と同じような環境で業務が行えます。

リモートデスクトップとは

MagicConnect(マジックコネクト)などのリモートアクセスサービスも、この広い意味でのリモートデスクトップに含まれます。一方、狭い意味では、Windowsに標準搭載されている「リモート デスクトップ」機能(RDP)を指します。
本記事では、特に断りがない限り、Windows標準のリモートデスクトップ機能を使って社内PCに接続する方法を中心に解説します。


リモートデスクトップの主な用途

  • 在宅勤務・モバイルワークでの業務
  • 出張時や災害時などの業務継続
  • 別拠点のPCやサーバの遠隔操作
  • 遠隔サポートやリモートメンテナンス対応

リモートデスクトップのメリット

  • 社内PCの環境をそのまま使えるため、業務アプリのインストールやファイルの事前持ち出しが不要で、事前準備の手間や情報漏えいのリスクを軽減できます。
  • オフィスに出社できない状況でも、業務を止めずに続けられます。
  • 現地に移動せずに、PC・サーバ設定や保守作業ができます。
  • 離れた場所のPCを直接操作して、トラブルに対応できます。

一方で、社内PCの遠隔操作が可能な状態は、不正アクセスやウイルス感染のリスクを高めることにもなります。たとえば、リモートデスクトップ用の通信ポート(RDPの標準は3389番)をインターネットに公開していると、総当たり攻撃や脆弱性を狙った攻撃を受けやすくなります。不正ログインを許すと、社内ネットワークに接続されている他のPCやサーバにも被害が広がるおそれがあります。

出典:IPA「2023年度 夏休みにおける情報セキュリティに関する注意喚起」/JPCERT/CC「Remote Desktop (RDP) が使用する3389番ポートへのスキャンに関する注意喚起」


特にビジネスシーンでは重要な情報を取り扱う機会が多いため、安全面を考慮して、代表的な対策として次の2つの方法が採用されます。

  • リモートデスクトップとVPNを併用する
  • VPN不要のリモートアクセスサービスを利用する


リモートデスクトップとVPNの併用方法とは

リモートデスクトップとVPNの併用方法とは


Windows OSに搭載されたリモートデスクトップとVPNを併用する方法について、自宅からオフィスPCをリモートデスクトップで遠隔操作する場面を想定して解説します。

①VPN環境を構築する

VPNとは、Virtual Private Networkの略で「仮想プライベートネットワーク」とも呼ばれ、インターネット上に暗号化された通信経路(仮想的な専用線)をつくり、離れた場所から安全に社内ネットワークへ接続する技術のことです。テレワークでは、自宅とオフィスの間をVPNで結び、その中でリモートデスクトップを使用します。これにより、通信の盗聴や社外からの不正アクセスのリスクを軽減できます。そのため、接続先であるオフィスにVPN対応のルーターまたはVPNサーバを用意します。

②社内PCをリモート接続可能な状態にする

社内には、リモートデスクトップの接続を受け付ける側となるPCを用意し、リモートデスクトップを有効にします(Windows 11では「設定」>「システム」>「リモート デスクトップ」をオンにします)。接続を受け付ける側にできるのは、Windows 11のProまたはEnterpriseエディションなどで、Homeエディションは対象外です。あわせて、ネットワークレベル認証(NLA)を有効にし、接続を許可するユーザーを限定しておきましょう。

③VPN接続する際に利用するデバイスを用意する

自宅やカフェなどで使用する手元のデバイスを用意し、VPNクライアントを設定して社内のネットワークに接続します(Windows PCのほか、Mac、iOS、Androidのリモートデスクトップアプリも利用できます)。VPN接続後、リモートデスクトップを用いて社内PCを操作します。VPNの接続方式や必要なソフトウェアは、利用するVPN機器・サービスの仕様をご確認ください。

上記の方法で、手元のデバイスからVPN経由で社内PCに接続し、リモートデスクトップでの遠隔操作ができるようになります。
接続環境を用意する前に、リモートデスクトップとVPNを併用するメリット・デメリットを把握し、自社に最適なテレワークツールを選べるようにしておきましょう。



リモートデスクトップとVPNを併用するメリット・デメリット

リモートデスクトップとVPNを併用するメリット・デメリット


リモートデスクトップとVPNを併用すると、どのようなメリットとデメリットがあるのか見ていきましょう。


メリット

1. 通信ポートを社外に公開せず、不正アクセスのリスクを下げられる

VPN経由にすることで、リモートデスクトップ(RDP)の通信ポートをインターネットに直接公開せずに済みます。VPNで認証された利用者だけがRDPに到達できるため、不正ログインや脆弱性を狙った攻撃を受けにくくなります。RDP自体も通信の暗号化に対応していますが、VPNを併用すると防御が二重になり、公共Wi-Fiなどを利用する場合も盗聴リスクを抑えやすくなります。

2. 社内ネットワーク全体に安全にアクセスできる

VPNを使えば、リモートデスクトップだけでなく、ファイルサーバや社内システムなど、社内ネットワーク上のリソースにも社外から接続できます。拠点間接続など他の用途にも活用でき、すでにVPN基盤がある場合は追加投資を抑えて利用できる点も利点です。

3. 既存の認証基盤・セキュリティ運用と連携しやすい

VPN機器・サービスの多くは、社内の認証基盤や多要素認証と連携できます。すでにVPN環境を運用している場合は、利用者や権限の管理を一元化しやすくなります。


デメリット

1. 初期導入費や管理コストの負担が大きい

VPN環境を構築するには、機器や設定、管理ルールの整備が必要です。利用人数が少ない場合は1人あたりのコストが割高になりやすく、導入効果が見合いにくい場合があります。また、機器・ライセンス・保守費用などを含めると、VPN不要のリモートアクセスサービスより総コストが高くなる場合があります。

2. 運用・管理の手間が発生する

VPNは導入後も、証明書管理、接続制御、ログ確認、障害対応などの運用作業が必要です。IT担当者の負荷が増えやすく、運用ルールの整備も欠かせません。導入から時間がたった古いVPN機器の利用や、修正パッチを当てそびれた脆弱性が、不正侵入の突破口になることもあります。

3. 端末紛失やデータ持ち出しのリスクは別途対策が必要

VPNは通信経路を守る仕組みであり、端末紛失やデータ持ち出しそのものを防ぐものではありません。リモートデスクトップは標準設定ではクリップボードやドライブの共有が有効な場合があり、業務データが手元の端末にコピー・保存されるおそれがあります。これらはグループポリシーやRDPの設定で制限できますが、すべての端末に漏れなく適用し、運用し続ける負荷が残ります。

4. VPNだけではセキュリティ対策が完結しない

VPNは「通信の保護」が中心です。ウイルス感染や、認証情報の漏えい・流用による不正ログイン、権限管理や操作ログの監視といった対策は、VPNとは別に必要です。



VPNを使わずに、自宅からリモートデスクトップで接続する方法とは

ここまで、リモートデスクトップの役割や仕組み、VPNとの併用のメリットやデメリットについて解説しました。VPNとの併用で通信をセキュアにできる反面、構築費用や管理コスト、端末紛失やデータ持ち出しへの対策といった課題があります。

こうしたコスト面・運用面の課題を軽減しやすいのが、「VPN不要のリモートアクセスサービスを利用する」という方法です。

VPN不要のリモートアクセスサービスは、VPN機器を用意せずに、通信の暗号化や接続者の認証によって安全な接続経路を確保します。多くのサービスでは、社内側のPCから外部のサービスへ接続する方式をとるため、社内に外部からの受信用ポートを開ける必要がありません(仕組みはサービスにより異なります)。画面転送の機能とあわせて提供されるため、VPNを別途構築しなくても、リモートデスクトップのように社内PCを操作できます。


VPN不要のリモートアクセスサービスが向いているケース

  • VPN機器の導入コストを抑えたい
  • 少人数からテレワークを始めたい
  • 社内のIT管理負荷を増やしたくない
  • 端末管理や情報持ち出し対策も重視したい

VPN併用が向いているケース

  • すでにVPN基盤があり、追加の構築コストをかけずに使いたい
  • リモートデスクトップ以外に、ファイルサーバや社内システムにも社外からアクセスしたい
  • 拠点や利用者が多く、VPNで一括して管理したい
  • 社内のセキュリティポリシーで、VPNの利用が定められている

VPNとVPN不要サービスの比較

短期間・少人数で始めたい場合やIT管理の負荷を抑えたい場合はVPN不要のサービス、既存のVPN基盤があり社内ネットワーク全体を使いたい場合はVPN併用が向いています。


項目 VPN+リモートデスクトップ VPN不要のリモートアクセスサービス
通信の保護・認証 VPNで通信を暗号化し、接続者を認証する サービス側で通信を暗号化し、接続者を認証する(方式は製品による)
費用 VPN機器・ライセンス・保守費用が必要 利用人数に応じた年額・月額費用が中心(製品による)
初期導入 機器の調達・設定が必要 専用機器が不要で、比較的容易
運用負荷 証明書管理・接続制御・ログ確認などが必要で、高め サービス側が基盤を運用するため、低め
接続できる範囲 社内ネットワーク全体に接続できる 原則として接続先のPC(製品による)
端末管理・情報持ち出し対策 RDPの設定やポリシーで別途対策が必要(運用次第) ファイル転送禁止などの制御機能を備える製品もある
少人数導入 やや不向き(1人あたりのコストが割高になりやすい) 少人数から導入しやすい

※表は一般的な傾向を整理したものです。実際の機能や費用は製品・サービスによって異なります。

マジックコネクトは、NTTテクノクロスが提供するVPN不要のリモートアクセスサービスです。専用機器を用意せずに、通信の暗号化とハードウェア固有情報などによる「強固な認証」によって安全な接続環境を構築でき、リモートデスクトップで社内PCを操作できます。ひとりから導入でき、「ファイル転送禁止機能」など情報の持ち出しを抑える機能も備えており、テレワークやリモートメンテナンスの場面で利用されています。

手元のデバイスにUSBキーを挿せば社内PCに接続できるため、ITに詳しくなくてもテレワークを始められます。料金や導入の流れは製品ページをご覧ください。

▶ マジックコネクトの製品詳細 ▶ 料金 ▶ 資料請求



よくある質問(FAQ)

Q. リモートデスクトップだけで使うと危険ですか?

A. RDPの通信ポートをインターネットに直接公開すると、不正ログインや攻撃を受けやすくなります。VPNなどで接続経路を限定する、またはVPN不要のリモートアクセスサービスを利用するなど、ポートを公開せずに使う工夫が必要です。

Q. VPNを併用すれば情報漏えいは防げますか?

A. 通信の盗聴や不正アクセスのリスクは抑えられますが、端末の紛失やデータの持ち出しは防げません。クリップボード・ドライブ共有の制限、端末管理、多要素認証などの対策を組み合わせる必要があります。

Q. VPN不要でも安全に使えますか?

A. 通信の暗号化や接続者の認証を備えたサービスであれば、VPNなしでも安全性を確保できます。ただし、方式や機能は製品ごとに異なるため、暗号化方式・認証方法・ファイル転送の制御機能などを確認して選びましょう。



まとめ

リモートデスクトップは、社外から社内PCを操作できる便利な仕組みですが、通信経路だけでなく、端末管理や運用ルールも含めたセキュリティ対策が重要です。

VPNとの併用は、通信の盗聴や不正アクセスのリスクを抑えられる有効な方法です。ただし、初期導入や運用の負荷がかかるうえ、端末紛失やデータ持ち出しへの対策は別途必要なため、すべての企業に最適とは限りません。

そのため、テレワークの導入方法を検討する際は、コスト・運用負荷・セキュリティ要件の3点で、次の2つを比較することが大切です。

  • 既存のVPN基盤があり、社内ネットワーク全体を使いたい場合:VPNとリモートデスクトップの併用
  • 少人数・短期間で始めたい、IT管理の負荷を抑えたい場合:VPN不要のリモートアクセスサービス

どちらの場合も、端末紛失やデータ持ち出しへの対策は欠かせません。マジックコネクトのようなVPN不要のリモートアクセスサービスは、セキュアな接続と導入のしやすさを両立しやすく、テレワークやリモートメンテナンスの選択肢のひとつです。

▶ マジックコネクトの製品詳細 ▶ 料金 ▶ 資料請求



執筆:NTTテクノクロス株式会社 マジックコネクト担当
公開日:2022年9月28日
更新日:2026年10月9日